遺伝子変異を有する青年および若年成人急性白血病の臨床病理学的解析(多施設共同研究)

東京大学医学部付属病院にて急性白血病でご加療中の方へ

東京大学医学部附属病院病理部では、当院を受診され、病理組織検体を採取させていただいた方を対象に、標本を作製し、患者さんの病理診断を行っております。病理組織標本は患者さんの病変のある部分から直接採取されるものであるため、画像検査や血液検査等の他の手段では得られない様々な情報を知ることができます。これらの情報を元に研究を行うことは、各種の疾病に対する知見を深める上で重要です。そのため、当院病理部および東京大学大学院医学系研究科・人体病理学・病理診断学分野では、当院で骨髄生検・穿刺を受けられた患者さんの検体やデータを用いて、下記の研究を行っております。

研究課題

遺伝子変異を有する青年および若年成人急性白血病の臨床病理学的解析(多施設共同研究)
(倫理審査番号11371)

研究機関名及び本学の研究責任者氏名

この研究が行われる研究機関(主任研究施設)と研究責任者は次に示すとおりです。
研究機関  東京大学大学院医学系研究科・人体病理学・病理診断学/医学部附属病院・病理部
研究責任者  牛久 哲男・東京大学大学院医学系研究科・人体病理学・病理診断学・教授
担当業務 データ収集・匿名化・データ解析

共同研究機関

研究機関  名古屋医療センター・臨床研究センター・生体情報解析室
研究責任者  安田 貴彦・名古屋医療センター・臨床研究センター・生体情報解析室・室長
担当業務  データ収集・匿名化・データ送付

研究期間

2016年12月22日~2026年3月31日

対象となる方

1990年1月1日 ~ 2025年3月31日の間に、当院および名古屋医療センターにて急性白血病の診断・治療を目的とした骨髄生検あるいは穿刺が行われ、組織あるいは細胞を採取された患者さん、および同期間中に急性白血病のためにお亡くなりになり、当院で病理解剖が行われた患者さん。

研究の意義

急性白血病の発症に関連する遺伝子異常にはさまざまなものがありますが、青年あるいは若年成人に発生する急性白血病の原因となる遺伝子異常については、いまだに不明な点が多くあります。そのため、この世代の急性白血病に特徴的な遺伝子異常を同定し、その臨床病理学的特徴を明らかにすることは、診断の確定や予後の予測あるいは新規治療法の開発などの基盤となる有益な情報をもたらす可能性があります。

研究の目的

青年および若年成人急性白血病に特徴的な遺伝子異常を同定し、その臨床病理学的な意義を明らかにします。

研究の方法

この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学大学院医学系研究科・医学部長の許可を受けて実施するものです。これまでの診療の過程(生検および穿刺)において採取された組織および細胞診検体あるいは病理解剖によって採取された検体を用いて、免疫組織化学的検索およびPCR法により、疾患に特異的な体細胞変異(腫瘍細胞のみに見られる遺伝子の異常)を検出します。遺伝情報を含むような網羅的なゲノム解析は行いません。これらに加えて、カルテに記録されている臨床情報、血液検査、画像検査などのデータを収集し、解析を行います。特に患者さんに新たにご負担いただくことはありません。
本研究は名古屋医療センター・臨床研究センター・生体情報解析室との多施設共同研究であり、同機関から病理組織標本(郵送による)や検査データ等の臨床情報(個人を特定することのできる情報は削除され(匿名化)、パスワードロックのかかるデータとして電子的配信される)の提供を受け、解析の対象とします。本学から他施設への試料の提供は行いません。

個人情報の保護

この研究に関わって収集される試料や情報・データ等は、外部に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱う必要があります。
あなたの人体試料や情報・データ等は、解析する前に氏名・住所・生年月日等の個人情報を削り、代わりに新しく符号をつけ、どなたのものか分からないようにした上で、当研究室において牛久綾(東京大学医学部附属病院・病理部・講師)が、個人情報管理担当者のみ使用できるパスワードロックをかけたパソコンで厳重に保管します。共同研究機関から提供される試料についても、送付前に匿名化作業を行い、当研究室で上記の方法により保管します。
この研究のためにご自分のデータを使用してほしくない場合は、検体を採取された日から3年以内、あるいは2016年以前に採取された検体につきましては、2023年12月31日までに主治医にお伝えいただくか、下記の研究事務局までご連絡ください。ご家族(親権者を含む)及び後見人の方からのご連絡も承ります。ご連絡をいただかなかった場合、ご了承いただいたものとさせて頂きます。
研究結果は、個人が特定出来ない形式で学会等において発表されます。収集したデータは厳重な管理のもと、研究終了後5年間保存されます。ご不明な点がありましたら主治医または研究事務局へお尋ねください。この研究に関する費用は、東京大学大学院医学系研究科 人体病理学・病理診断学分野の運営費から支出されています。本研究に関して、開示すべき利益相反関係はありません。尚、あなたへの謝金はございません。

                                                                                                                                                                                                                                              2022年11月1日

【問い合わせ先】

東京大学大学院医学系研究科 人体病理学・病理診断学分野
教授 牛久 哲男(研究責任者)
住所:東京都文京区本郷7-3-1
電話:03-5841-3343  FAX:03-3815-8379